本法案は、少子高齢化や人口減少などの社会経済的な変化を背景に、就労者が生活の安定と向上を図りながら、意欲と能力に応じた就労機会が得られるよう支援するため、就労支援給付制度の導入を定めています。
就労支援給付制度には「就労促進支援給付」と「特定就労者支援給付」の二種類の給付が含まれ、収入が一定額未満である就労者に対し、その生活と就労意欲を支援する給付を提供します。
就労促進支援給付は、社会保険の被扶養者でなくなり、社会保険料の納付が発生した者を対象とします。
この給付は対象者の収入に応じて逓減され、負担が増えた場合でも意欲を損なわないよう設計されています。
特に、60歳以上の者や一定の障害を持つ者については、一般の対象者よりも高い収入限度額を設定し、就労支援の範囲を広げています。
特定就労者支援給付は、生活保護を受ける水準以上の収入があるが、扶養範囲外の低所得層を対象とします。
対象者の収入額に基づき、一定水準の就労促進を図るための給付額が逓増し、収入に応じた支援を提供します。
さらに、生活保護制度と連携し、収入状況や生活状態に応じた支援の継続を図ります。
この法律は、当面の措置として就労支援給付制度の基本的事項を定め、将来的な社会保障制度の見直しにも対応できる柔軟な仕組みを構築しています。
少子高齢化の進展、人口の減少その他の社会経済情勢の変化に伴い、就労する者が生活の安定と向上を図りつつ、その意欲及び能力に応じて就労する機会が確保されることが重要となっていることに鑑み、当分の間の措置として就労支援給付制度を導入することに関し、必要な基本的事項を定める必要がある。
これが、この法律案を提出する理由である。
・就労支援給付制度を導入し、就労促進支援給付と特定就労者支援給付の二種類の給付を提供する。
・就労促進支援給付は、元被扶養者で、一定の収入要件を満たす者に対して社会保険料の負担を軽減する形で支援を行う。
・特定就労者支援給付は、生活保護水準以上の収入があるが特定の上限額未満の者に対して支援を行う。
・本法施行後、制度の実施状況等を勘案して必要に応じて社会保障制度の見直しを行う。