公益信託に関する法律案

本法案は、公益信託制度を全面的に改正し、公益を目的とする信託の適正な運営を確保するための新たな法的枠組みを整備するものです。
公益信託とは、学術振興や福祉向上など、不特定多数の利益増進を目的として受益者を特定しない信託であり、社会的公益を目的とするものです。
本法案により、従来主務官庁の裁量に委ねられていた公益信託の許可および監督制度が見直され、内閣総理大臣および都道府県知事が公益認定等委員会の関与のもとで公益信託の認可および監督を行う制度が新設されます。
また、公益信託が効力を発生するためには行政庁の認可が必須となり、不正や欠格事由のある信託の排除を図る厳格な基準が設けられます。
さらに、信託の運営状況や財産管理の透明性を高めるため、財産目録や収支予算の開示が義務付けられるとともに、寄付の募集方法についても透明性確保のための規制が導入されます。
加えて、公益信託の事務処理や認可・監督に関して公益認定等委員会への諮問制度を導入し、審査や監督の透明性と公平性を確保する仕組みを整えています。
以上により、公益信託の適正な実施が促進され、信頼性の高い公益信託制度を確立することで、公益の増進および活力ある社会の実現に資することを目指しています。